失業手当(失業保険・雇用保険の失業給付金)
 雇用保険とは、職場で働く人々が職を離れ失業した場合に、必要な給付を行うことにより、生活の安定をはかるとともに、求職活動を容易にする等、その就職を促進しあわせて働く人々の職業の安定に資する為、雇用構造の改善、能力の開発および向上、その他福祉の増進をはかることを目的としています。
 また、懲戒解雇や諭旨解雇であっても失業手当は給付されます。但し、3か月の給付制限期間が課されます。
 なお、雇用保険が正式名称です。「失業保険」は、雇用保険の俗称です。基本手当が正式名称です。「失業給付」や「失業手当」は、基本手当の俗称です。なお、「基本手当」とは、雇用保険の被保険者だった方が、定年、倒産、契約期間の満了、自己都合等により離職し、再就職が決定するまでの間、生活面での支えとして、所定給付日数内でハローワークより給付される手当金のことを言います。ただし、当サイト上では、これらは特に厳密に使い分けておらず、基本的に同義語として使っています。

<簡単にまとめると>(環境依存文字使用)
 「仕組みとかの理屈はどうでもいいから、要するにどういう手続きで貰えるか」という事について、大抵のハローワークには置いてあるであろう「離職されたみなさまへ」という小冊子があると思うので、そちらをご覧下さい。退職した会社から、離職票に同封で送ってくれる事もあるかと思います。都道府県ごとの作成っぽいです、いずれの都道府県でも内容はほぼ同じです(逆に言えば、若干の違いはある)。ネット上でも、見れるものもあるようです(2013年6月15日現在、「離職されたみなさまへ」で検索すると、大阪ハローワークのものがヒットする→「http://osaka-hellowork.jsite.mhlw.go.jp/library/osaka-hellowork/pdf/hoken_risyokusaretaminasamahe.pdf#search='%E9%9B%A2%E8%81%B7%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%81%BF%E3%81%AA%E3%81%95%E3%81%BE%E3%81%B8'」=「http://osaka-hellowork.jsite.mhlw.go.jp/library/osaka-hellowork/pdf/hoken_risyokusaretaminasamahe.pdf」)。
 「そんなの読んでいられない、簡単にまとめて」という方は以下、ピンク色でまとめた項目ををお読みあれ。

(簡単に総括)
 ほとんどの会社員は雇用保険の被保険者になっているため、失業した場合は失業給付を受けることができる。失業給付は、再就職までの一定期間の生活を安定させ、安心して就職活動をするために支給されるもので、住所を管轄するハローワークに申請する。
 失業給付を受けることができる日数は、離職の日における「被保険者であった期間(=その会社に勤めていた期間)」などによって異なるが、「うつ病などの障害によって就職が困難」と認められれば、支給日数が加算される。たとえば自分から辞めた場合、被保険者だった期間が10年未満の人は通常なら90日分だが、就職困難者の場合は45歳未満で300日分、45歳以上なら360日分の給付が受けられる(下表参照)。就職困難者と認定されるには、精神障害者保健福祉手帳などを持っていることなどが条件になる。
 また、自分から辞めた場合、給付対象となるのはハローワークに申請した日から7日間の待期期間後、さらに3ヶ月経ってから。しかし病気などやむを得ない事情とハローワークが判断した場合には、待期終了後の翌日から給付対象となる。会社から解雇をいい渡された場合も同様だ。
失業給付を受け取れる日数
自分の都合などで離職した場合
一般 在職年数により90日、120日、150日
障害などによる就職困難者 45歳未満は300日、45歳以上は360日
解雇などにより離職させられた場合
一般 年齢・在職年数などにより90日〜330日
障害などによる就職困難者 在職1年未満は150日、
在職1年以上は45歳未満300日、45歳以上は360日




●雇用保険は、31日以上雇用見込みがあれば加入できる
失業すると、賃金を唯一の生活の糧としている労働者は生活に困ってしまいます。
そこで、次の仕事が見つかるまでの間、国からの失業給付によって生活を維持できるようにします。これが雇用保険制度です。
この雇用保険制度は基本的に強制適用であり、労働者を1人でも雇用している事業主は、雇用保険に加入し、保険料(労使がほぼ半額ずつ負担)を納めなければなりません。
では、自分の勤め先の事業主が保険料を支払っていなかったら、解雇されても失業手当をもらえないのでは、と心配された方、安心してください。
労働者は、一般被保険者となる場合、@31日以上雇用される見込みがあり、A1週間あたりの所定労働時間が20時間以上であれば、雇用されると同時に雇用保険に加入できます。
正社員はもちろん、パートタイマーや期間従業員、派遣社員も、31日以上雇用される見込みがあれば、加入資格があります。労働者は雇用されると同時に雇用保険の加入資格を取得するので、事業主が保険料を滞納していたとしても、失業状態になった場合にハローワークに申し出れば、失業手当を受給することができます。
●もらえるのは「求職活動者」のみ
失業手当(雇用保険の基本手当)をもらうためには、@一定期間以上の被保険者期間(勤務期間)があることに加え、A十分に働ける状態である人が、働く場を求めて求職活動しているにもかかわらず失業の状態にあることが要件になります。
病気、結婚予定などで働くことができない、あるいは定年退職後しばらく休養したい、専門学校に通いたいなどで、積極的な求職活動をしていない人は、失業手当はもらえません。
正社員はもちろん、パートタイマーなどであっても次の要件を満たせば受給資格があります。
@倒産、解雇等によって離職した者の場合・・・離職の日以前1年間に、被保険者期間(勤務期間)が通算して6カ月以上あること。
A自己都合退職・定年退職等の場合・・・離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12カ月以上あること。
●失業手当は、いくら、いつからもらえる?
 気になる失業手当の額(給付額)ですが、雇用保険で受給できる1日当たりの金額を「基本手当日額」といいます。この「基本手当日額」は原則として離職した日の直前の6カ月間に毎月決まって支払われた賃金(賞与等は除く)の総額を180(日)で割って算出した金額のおよそ45〜80%(賃金の低い人ほど高い率)となっています。
基本手当日額は年齢区分ごとにその上限額が定められています。現在の上限額は次のとおりとなっています。
・30歳未満→6455円
・30歳以上45歳未満→7170円
・45歳以上60歳未満→7890円
・60歳以上65歳未満→6777円
(↑平成23年8月1日現在)
この基本手当日額に、給付日数を掛けた金額が受取総額となります。
(↓失業手当の受取総額)
例:(直前6カ月の給料÷180日)×(45〜80%)×給付日数

 給付日数は、年齢、勤続年数、自己都合退職か会社都合か、によって期間が決定され、期間は90〜330/360日の間で、それぞれ決められます。ちなみに、自分の都合で退職した場合、懲戒解雇されたなどの場合は、ハローワーク(公共職業安定所)へ離職票を持っていった日から、7日間+3カ月間は雇用保険(失業手当)を受給することができません。一方、解雇・勧奨定年・契約期間満了による退職の場合の場合は、7日間だけ待てば、すぐに受給することができます。
ただし、雇止めになった非正規労働者や自己都合による退職であっても、正当な理由がある(特定理由離職者)と認められる場合は、3カ月間の給付制限(停止)はありません。
●社会保険も事業主の義務
他にも事業主が加入を義務づけられているものに、社会保険があります。
まずは健康保険。これは業務外で起きたケガや病気のための保険です。常時5人未満の従業員の事務所などは加入自由ですが、基本的にはほとんどの事業所について義務付けられているものです。
ちなみに、この健康保険は社長や役員をはじめ、契約社員やパートタイマーまですべて事業所で働く人が加入対象となります。パートについては、労働時間が一般社員の約4分の3以上の者、つまり30時間働いている者が対象となります。
この保険料は、会社と従業員で半々の負担となります。
社会保険には健康保険のほか、厚生年金保険もあります。加入条件は健康保険とほぼ同じですが、70歳未満の人という要件が加わります。保険料については、これも会社と従業員の半々の負担です。

<雇用保険の事業>(環境依存文字使用)
1・求職者給付
イ 基本手当
(1)基本手当の支給を受けるためには次の3つの要件を満たしていることが必要です。
@離職による資格喪失の確認を受けていること。
A労働の意思および能力があるにもかかわらず職業に就くことができない状態であること。
B離職の日以前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上あること。
(2)基本手当の日額
離職前6ヶ月間の平均賃金日額の8割〜4.5割です。
(3)賃金日額
離職の日前1年間における最後の6ヶ月の被保険者期間に支払われた賃金総額を180で除して得た額です。
(4)基本手当の給付日数
離職理由、離職時の年令、被保険者であった期間および就職困難な者であるかによって所定の日数が支給されます。
(5)受給期間
離職の日の翌日から1年間です。この受給期間が過ぎると、たとえ給付の日数が残っていても、途中で支給が打ち切られます。
ロ その他の手当
(1)技能習得手当 (2)寄宿者手当 (3)傷病手当
2・就職促進給付
3・教育訓練給付
4・雇用継続給付
5・雇用安定事業
6・能力開発事業
7・雇用福祉事業

<費用の負担>
1・国庫の負担
2・保険料の徴収
 保険料は、1,000分の11と決められています。その負担割合は、1,000分の7が事業主、1,000分の4が被保険者となっています。保険料率は被保険者の毎月の賃金総額に上記保険率を乗じて算出されます。
(例)賃金総額120,000円の者は480円の保険料を負担します。
  (120,000×4/1,000)

<雇用保険被保険者について>
●被保険者の種類
 
被保険者種類
雇用保険では、労働者を一人でも雇用する事業は、事業の種類や規模のいかんを問わず適用事業となります。
ただし、農林・水産の事業のうち従業員5人未満の個人経営の事業は、暫定任意適用事業とされています。
なお暫定任意適用事業主であっても雇用する労働者の2分の1以上の者が加入を希望するときは、任意加入の申請を行い、認可された場合は加入をしない希望しない労働者も含め被保険者となります。
一般被保険者 65歳未満の常用労働者
(所定労働時間・雇用形態により被保険者とならない場合があります。)
高年齢継続被保険者 同一事業主の適用事業に65歳に達した日の前から引き続いて65歳に達した日以後の日にお
いて雇用されている者
短期雇用特例被保険者 季節的に雇用される者のうち次のいずれにも該当しない者
(イ)4カ月以内の期間を定めて雇用される者
(ロ)1週間の所定労働時間が厚生労働大臣の定める時間数(30時間)未満の者
日雇労働被保険者 日々雇用される者。
30日以内の期間を定めて雇用される者。

●被保険者とならない者
 雇用保険の適用事業に雇用される労働者は、原則として雇用保険の被保険者となるが、次に掲げる者については被保険者とならない。
(1)65歳に達した日以後に雇用される者
(2)1週間の所定労働時間が20時間未満である者
(3)同一の事業主の適用事業所に継続して31日以上雇用されることが見込まれない者
(4)季節に雇用される者であって上記(イ)(ロ)に該当する者
(5)学校教育法第1条に規定する学校、同法第124条に規定する専修学校、同法第134条に規定する各種学校の生徒又は学生であっても、大学の夜間学部及び高等学校の定時制の課程の者等以外のもの(昼間学生)は、被保険者とはならない。
(6)船員であって漁船に乗り組むために雇用される者(1年を通じて雇用される場合を除く)
※上記の漁船とは特定漁船以外の漁船をいう
(7)国、都道府県、市町村に雇用される公務員等(※)

また、次のような形態で働いている方は、雇用保険法でいう「労働者」とならず被保険者となりません。
(A)会社や団体の代表者、役員等
(B)同居の親族

 労働時間、賃金その他の労働条件が就業規則、雇用契約書、雇入通知書等により明確に定められ、次のいずれにも該当するときに限り被保険者となります。
(壱)1週間の所定労働時間が20時間以上であること。
(弐)31日以上引き続き雇用されることが見込まれること。

(※)
公務員として、身分が保障(定年までの長期雇用)されており、民間企業のように倒産等による解雇等失業のリスクがほとんどないためと考えられます。期間雇用の職員は、契約満了による失業のリスクがあるので、加入要件を満たせば、雇用保険に加入することが出来ます。半官半民の会社の人、第三セクターなどの人は加入要件を満たせば、加入することが出来ます。

派遣社員は、雇用保険の加入条件(1週間の所定労働時間が20時間以上であること、かつ、31日以上雇用される見込みがあること)を満たさないと雇用保険に加入することは出来ません。

<高年齢者、育児、介護休業者には>
【高年齢雇用継続給付】
■高年齢雇用継続基本給付金
基本手当を受給せず60歳到達後も勤め続ける方に支給されます。
■高年齢再就職給付金
60歳到達後に基本手当を受給し、受給中に再就職した方に支給されます。

●受給要件

60歳以上65歳未満の被保険者で、被保険者であった期間が通算して5年以上ある方が、60歳到達時と比べて<高年齢再就職給付金については離職時と比べて>75%未満の賃金で働いている場合に支給されます。

●受給期間
高年齢雇用継続基本給付金は、60歳前に到達した日の属する月から65歳に到達する日の属する月まで、高年齢再就職給付金は、基本手当の支給残日数が200日以上の方は、再就職した月から2年間、100日以上200日未満の方は1年間支給されます。
ただし、月の初日から末日まで被保険者であった月に限ります。

●支給額
60歳到達時と比べて<高年齢再就職給付金については離職時と比べて>賃金が61%以下の場合、支払われた賃金の15%の額、61%超 75%未満の場合、支払われた賃金に賃金の低下の率に応じて15%から一定の割合で逓減する率を乗じた額となります。

【育児休業】
■育児休業給付金(平成22年4月1日以降育児休業を開始される方)
1歳未満の子の育児のために休業している方に支給されます。

●受給要件

育児休業開始2年間に、11日以上働いている月が12カ月以上ある方が対象となります。休業を開始した日から1カ月ごとに区切った期間を単位として、一つの単位期間内に20日以上まったく仕事をしていない日がある場合に支給されます。
有期契約労働者の方も、一定の要件を満たせば支給対象となります。

●受給期間
子が満1歳に到達する前日まで支給されます。ただし、保育所における保育が行われない等の事由で育児休業期間を延長した場合は、1歳6カ月に達する日の前日まで支給されます。

●支給額
各支給単位期間ごとの支給額は、休業開始時賃金日額×支給日数×40%(ただし、当面の間は50%)の額が支給されます。
なお、平成22年3月31日までに育児休業を開始された方は「育児休業基本給付金」と「育児休業者職場復帰金」が支給されますので、詳しくはハローワークにお問い合わせ下さい。

●平成22年6月30日施行
「パパ・ママ育休プラス制度(父母ともに育児休業を取得する場合の育児休業取得可能期間の延長)」の利用により育児休業を取得する場合には、一定の要件を満たすと子が1歳2カ月に達する日の前日までの間に、1年まで育児休業給付金が支給されます。

【介護休業給付】
■介護休業給付金
家族を介護するために休業した方に支給されます。

●受給要件

介護休業開始前2年間に、11日以上働いている月が12ヵ月以上ある方が対象となります。休業を開始した日から1ヵ月ごとに区切った期間を単位として、一つの単位期間内に20日以上まったく仕事をしていない日がある場合に支給されます。
期間雇用者の方も、一定の要件を満たせば支給対象となります。

●受給期間
支給対象となる1人の家族につき、介護休業開始日から最長3ヵ月間支給されます。
同一の家族に対しての複数回の介護休業も、一定の要件を満たせば支給日数合計が93日までなら支給されます。

●支給額
休業終了後に1単位期間当たり[休業開始時賃金日数×30日(休業終了日の属する期間は支給対象期間の日数)×40%]の額が最大で3単位期間分一括して支給されます。

※高年齢雇用継続給付・育児休業給付・介護休業給付は被保険者を雇用する事業所を管轄する公共職業安定所で手続きを取っていただきます。詳しくは公共職業安定所にお問い合わせください。

<教育訓練給付制度について>
【教育訓練給付金】
働く人の主体的な能力開発を支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とする雇用保険給付制度です。

●受給要件
(1)雇用保険の一般被保険者(在職者)または一般被保険者であった方(離職者)が、厚生労働大臣の指定する教育訓練を修了していること(離職後1年以内に受講開始日があること)。
(2)受講した講座が受講開始日時点で厚生労働大臣の指定期間内にあること。
(3)一般被保険者期間が通算して3年以上あること。
(初回に限り、一般被保険者期間1年以上で受給可能[暫定措置])
(4)過去に教育訓練給付を受給したことがある場合には、支給に係る教育訓練の受講開始日から一般被保険者である期間が3年以上あること。

●支給額
本人が教育訓練施設に支払った教育訓練経費の 20%に相当する額。ただし、支給額の上限は10万円で、4千円を超えない場合は支給されません。

【備考:現在在職中の方の教育訓練給付金について】
 教育訓練給付金は、受講開始日現在で在職中の方のうち、雇用保険の一般被保険者である期間が通算して3年以上ある方(一度退職して改めて就職した場合、再就職までの空白期間が1年以内であれば、前職の一般被保険者であった期間も通算されます)。
 ただし、この制度を初めて利用する方に限り、一般被保険者期間が1年を経過していればご利用が可能です(平成19年10月1日以降受講開始より対象)。
 一般被保険者の方は、65歳の誕生日の前日に一般被保険者でなくなり、高年齢継続被保険者として資格が切り替わることにご注意ください。このため、受講開始日が66歳の誕生日の前日以降にある場合は、支給対象になりません(適用対象期間の延長が行われた場合を除く)。
教育訓練給付金については、「障害年金・障害手当金・特別障害給付金(用語集のオマケ付)」の「用語集」の「各保険制度でのお金の単位」も参考にして下さい。

<失業した人には>
【一般求職者給付】
●受給要件
【原則】
・離職の日以前2年間に、被保険者期間が12ヵ月以上。
・離職日からさかのぼって1ヶ月ごとに区切った期間に、「賃金の支払いの基礎となった日数が11日以上ある月」が12ヶ月以上。
【例外】
・上記原則に該当しない方のうち、離職理由が会社都合等の場合は、離職の日以前1年間に被保険者期間が6ヵ月以上。
・離職日からさかのぼって1ヶ月ごとに区切った期間に、「賃金の支払いの基礎となった日数が11日以上ある月」が6ヶ月以上あって、再就職の意思と働ける状態にある人が、公共職業安定所に、求職の申し込みをすることにより、失業した日について、基本手当が支給されます。
※正当な理由がなく自己都合退職した人は、3ヵ月間の給付制限があります。

●受給期間
原則として離職日の翌日から起算して1年間です。ただし、一定期間内の申請により、60歳以上の定年退職等で、すぐに求職を希望しない人は1年間、または妊娠・出産・育児・傷病などのため求職活動ができない人は3年間延長できます。

●基本手当日額
離職の日からさかのぼって、6ヵ月の平均賃金(ただし、臨時に支払われる賃金及び3ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金を除きます。)の50%〜80%(60歳以上65歳未満は45%〜80%)が基本手当の日額となります。なお、基本手当の日額には年齢別に一定の限度額があります。
臨時に支払われる賃金とは,臨時的,突発的事由に基づいて支払われたもの及び支給条件はあらかじめ確定されているが,支給事由の発生が不確定であり,かつ非常に稀に発生するものをいいます。傷病にかかった場合に会社から支給される傷病手当や結婚した場合に会社から支給される結婚手当、定年退職以外の退職金などが該当します。


●延長給付
・訓練延長給付…公共職業安定所長が指示した職業訓練を受ける人に支給されます。

●その他
・技能習得手当等…公共職業安定所長が指示した職業訓練を受ける場合、受講・通所・寄宿手当などが支給されます。
・傷病手当…受給中に15日以上の傷病となった場合、基本手当と同額が支給されます。

●給付日数および受け取るまでの流れ
年齢、被保険者期間、及び離職理由により給付日数がそれぞれ区分されます。それぞれ、下記で表にします。

自己都合や定年などによる離職は以下です↓
自己都合、定年等による離職(枠内文字中央揃え)
離職した日の年齢/被保険者であった期間
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
65歳未満
90日
120日
150日

倒産・解雇などによる場合は以下です↓
倒産・解雇等による離職者(枠内文字中央揃え)
離職した日の年齢/被保険者であった期間
1年未満
1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
30歳未満
90日
90日
120日
180日
30歳以上35歳未満
90日
180日
210日
240日
35歳以上45歳未満
240日
270日
45歳以上60歳未満
180日
240日
270日
330日
60歳以上65歳未満
150日
180日
210日
240日

就職困難者は以下↓
就職困難な者(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、のいずれか所持者、ならびに刑法等の規定により保護観察に付された人々のこと)(枠内文字中央揃え)
*手帳があっても、「失業給付の3ヶ月の『給付制限期間』の免除」はありません。逆に、手帳がない場合でも「病気」を理由とする退職であれば、「特定理由離職者」に該当し、給付制限期間の3か月は課されません。
離職した日の年齢/被保険者であった期間
1年未満
1年以上
45歳未満
150日
300日
45歳以上65歳未満
360日
失業手当について、精神障害者保健福祉手帳を取得(申請中でも可。等級は不問)すれば、就労困難者と判断され、所定給付日数が以下のように延長します。
手帳申請中の場合の所定給付日数は、手帳がないものとした場合の所定給付日数が仮に決定され、手帳を取得することができれば、所定給付日数を増加させてもらいます。手帳が取得出来なかった場合は、仮の決定が本決定(所定給付日数の増加なし)となります。
*失業手当の所定給付日数が決定された段階で手帳が有効期限内であれば、その後有効期限が切れた日に調査されることはありません。
*手帳があっても、「失業給付の3ヶ月の『給付制限期間』の免除」はありません。逆に、手帳がない場合でも「病気」を理由とする退職であれば、「特定理由離職者」に該当し、給付制限期間の3か月は課されません。

例えば、「1年働いてやめる→300日失業保険→また1年働いて→300日失業保険」も、理論的には可能です。但し、同一事業所で就職・離職を繰り返しており、再び同一事業所に就職の予定がある方は、ダメです。
「雇用保険を受給しないで再就職した場合について」は、雇用保険の手続後であっても、再就職手当等を含む雇用保険を1日も受給せずに再就職し、雇用保険の被保険者となった場合で、その空白期間が1年以内のときは、前の会社での「被保険者として雇用されていた期間」と再就職後の「被保険者として雇用された期間」が通算されることとなります。再就職手当等を含む雇用保険を受給した場合には、それ以前の期間は通算されません。

失業給付を受け取る流れ
<以下、失業給付を受け取る流れ>
 ハローワークにより扱いが違う事もあるので、あくまで参考例として以下を記述します。「待期終了後の翌日から給付対象」の場合・・・。
2013年7月1日(月)に離職票を持って行きハロワで手続きし「雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり」をもらい、7月18日が「雇用保険保険説明会の日時」。7月8日から支給開始(実際に振り込まれるのはもっと7月1日起点として約5週間後)。週型と曜日が「1型月曜日」となり、7月8日から1型月曜日の「7月29日(月)=最初の失業認定日」までが最初の失業給付対象。この間に求職活動をしていないと支給されない。医師の意見書が必要な方は、7月18日の説明会か、遅くとも最初の認定日の7月29日までには用意を(※)
なお、1型月曜日が都合悪い場合は、次の措置になる。なお、ここで暫定的に火曜日に充てたからといって、1型月曜日が1型火曜日になるわけではなく、次回以降も1型月曜日のままになる。
●通院(歯科含む)→病院の領収書を。
●医者にすら行けないほどの体調不良→ハロワに電話して相談。
●就職試験→例えば面接をしたならば、「面接証明書」を提出。
(参考サイト)
・ハローワークインターネットサービス - 雇用保険手続きのご案内 https://www.hellowork.go.jp/insurance/
・雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり http://kagoshima-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0086/7503/zyukyuu_h25_3.pdf#search='%E9%9B%87%E7%94%A8%E4%BF%9D%E9%99%BA%E3%81%AE%E5%A4%B1%E6%A5%AD%E7%AD%89%E7%B5%A6%E4%BB%98%E5%8F%97%E7%B5%A6%E8%B3%87%E6%A0%BC%E8%80%85%E3%81%AE%E3%81%97%E3%81%8A%E3%82%8A'http://kagoshima-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0086/7503/zyukyuu_h25_3.pdf
(※)
医師に就労可能証明書を書いてもらい、住所地を管轄するハローワークに離職票その他必要書類とともに提出し、求職の登録をし、失業手当受給の申請をすれば、待期期間(7日間)経過後、求職活動をしても再就職が決定しない日に対し、所定給付日数の範囲内で失業手当が支給されます。つまり、失業給付を受けることが出来る日は、待期期間経過後の日からとなります。
・もし医師から「就労不可」の意見書が出た場合、ハロワに行き手続きを取り消し、受給期間延長申請をすることになる。なお延長申請は、働くことができなくなった期間が30日をこえた日から1カ月以内に行う(取消自体はそれより前でも出来る)。いちいち取り消したり面倒な部分もあるので、医師の意見書はなるべく事前に用意したい。
・受給期間延長申請の具体的な期間は、次のとおりです。例えば、3月4日に退職すると退職日の翌日から30日経過した日は、4月4日となります。この場合の受給期間延長申請が出来る期間は、4月4日から5月3日までとなります。退職日の翌日から30日の期間を空けているのは、病気の場合、30日以上病気による労務不能を確認した後、病気のため、受給期間の延長申請を認めようとする考えからきています。
・雇用保険の手続きをすると、手続をした日以前に雇用保険に加入していた期間は、基本手当等の受給の有無にかかわらず、その後の雇用保険の受給要件の計算には算入されませんのでご注意ください。
平成25年度 祝祭日に伴う認定日変更について(2013年7月27日)
↑認定日が祝祭日だとズレるのが基本。
厚生労働省 神奈川労働局 ハローワーク

ところで、後倒しは出来ないので要注意。例えば、障害者で失業保険が1年近く貰えるからといって、退職後から半年後に手続きしても、その時点が起算日にはならない。
ハローワークカード(2013年7月21日撮影)
↑ハローワークカードをもらったら、ハロワに行く際は毎回の携行が原則です。
●会社を病気退職したが、失業給付を受けるには?
失業保険をもらう際に医師に書いてもらう書類は、「就労可能証明書」又は「就労可能となった診断書」です。「意見書」というよりは、「証明書」、「診断書」ということになります。
主治医の意見書
雇用保険受給資格に係る病状証明書
↑働けるようになった時は、その証明を医師に書いてもらいます。

【就業促進手当】
●就業手当
所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上を残して安定した職業以外の職業に就いた場合に、一定の要件を満たすことにより、基本手当日額の 30%の額が就業日ごとに、または就業期間分支給されます。(1日当たりの支給額には上限額があります。)

●再就職手当
所定給付日数の3分の1以上を残して安定した職業に就いた場合に、一定の要件を満たすことにより、基本手当日額×支給残日数の50%または60%の額が支給されます。(基本手当日額には再就職手当に関しての上限額があります。)

●常用就職支度手当
45歳以上の受給資格者のうち雇用対策法等に基づく再就職援助計画等の対象者、身体障害者などが、公共職業安定所又は職業紹介事業者の紹介により安定した職業に就いた場合に、一定の要件を満たすことにより支給されます。
 ※再就職手当との併給はできません。

【高年齢求職者給付】
65歳以上で退職した人には、勤続期間(被保険者期間)により、基本手当相当額が、それぞれ以下の分まとめて支給されます。
被保険者であった期間
1年未満
1年以上
給付金の額(日数分)
30日分
50日分

【日雇求職者給付】
日雇労働被保険者が失業した場合は、納付した印紙保険料に応じて、
第1級 7,500円
第2級 6,200円
第3級 4,100円

が支給されます。
 ※給付日数は、印紙貼付枚数に応じて、1ヵ月あたり13日から17日となります。

<労災保険について(環境依存文字使用)>
 労働者が業務上、又は通勤途上負傷したり、病気になった場合、あるいは不幸にして亡くなられた場合に被災労働者や遺族を保護するために必要な保険給付を行う制度です。労災保険率は、事業の種類により賃金総額の3/1,000から103/1,000までに分かれており、保険料は全額事業主負担となります。
 なお、事業主が故意又は重大な過失により労災保険の保険関係成立届を提出していない期間中に労働災害が発生し、労災給付を行った場合は、「未手続事業所に対する費用徴収制度」により遡及して労働保険料を徴収するほか、労災給付に要した費用を徴収することになっております。

労働保険とは雇用保険と労働者災害補償保険(労災保険)を総称したもので、保険料の徴収等を原則的に一つとして取り扱われます。

労働保険事務組合制度について
◆労働保険医事務組合とは
事業主の委託を受けて、事業主が行うべき労働保険の事務処理を代行するため、厚生労働大臣の許可を受けた事業主の団体です。
◆委託出来る事業主の範囲は
労働者の総数が300人(金融、保険、不動産、小売業は50人、サービス・卸売業は100人)以下の事業主が委託できます。
・委託できる範囲
労働保険事務組合が処理できる労働保険事務の範囲はおおむね次のとおりです。
@概算保険料、確定保険料などの申告及び納付に関する事務
A保険関係成立届、任意加入申請書、雇用保険の事業所設置届等の提出に関する事務
B労災保険の特別加入の申請等の事務
C4番は存在しません。
Dその他労働保険についての申請、届出、報告等に関する事務
E「石綿による健康被害の救済に関する法律」に基づく一般拠出金の徴収に関する事務
なお、印紙保険料に関する事務並びに労災保険及び雇用保険の保険給付に関する請求等の事務は、労働保険事務組合が行う事務から除かれています。
◆委託されますと、次のような利点があります。
・労働保険に加入することができない事業主及び家族従業員も労災保険に特別加入することができます。
・労働保険料の金額に関係なく、3回に分割納付ができます。

<失業手当と傷病手当金・障害年金・遺族年金・老齢年金>
【失業手当と傷病手当金】
 退職後の傷病手当金と失業手当とは、同時に受給できませんが、時期をずらして(※1)受給する事は可能です。退職後は傷病手当金の受給を優先し、退職日の翌日から30日経過後1ヶ月以内(※2)に住所地を管轄するハローワーク(公共職業安定所)(※3)で、受給期間延長申請を行います。傷病手当金受給が満了するか、傷病が完治すれば、医師から「就労可能証明書」を取得し、受給期間延長申請を解除し、求職の申込と失業手当受給申請手続きをとります。
※1
医師に就労可能証明書を書いてもらい、住所地を管轄するハローワークに離職票その他必要書類とともに提出し、求職の登録をし、失業手当受給の申請をすれば、待期期間(7日間)経過後、求職活動をしても再就職が決定しない日に対し、所定給付日数の範囲内で失業手当が支給されます。つまり、失業給付を受けることが出来る日は、待期期間経過後の日からとなります。
※2
受給期間延長申請の具体的な期間は、次のとおりです。例えば、3月4日に退職すると退職日の翌日から30日経過した日は、4月4日となります。この場合の受給期間延長申請が出来る期間は、4月4日から5月3日までとなります。退職日の翌日から30日の期間を空けているのは、病気の場合、30日以上病気による労務不能を確認した後、病気のため、受給期間の延長申請を認めようとする考えからきています。
※3
求職活動をするためなら、職場に近いハローワークでも、自宅最寄りのハローワークでも構いませんが、失業手当の給付申請は、「住所地を管轄するハローワーク」ですることと決まっています。
文字中央
揃え
傷病手当金
失業給付
根拠法
健康保険法
雇用保険法
受給条件
健康保険の被保険者期間が継続して1年以上あり、退職時に傷病手当金の受給要件を満たしていること
退職日以前2年間に被保険者期間(賃金支払基礎日数が11日以上ある月)が通算して12ヶ月以上あること
退職時の労働能力
退職前より引き続き傷病のため労務不能の状態にあること
労働可能な状態にあること
支給額計算方法
標準報酬日額(=標準報酬月額÷30)を基に計算
賃金日額
(実際の支給額(税金や社会保険料等が控除される前の金額))
支給期間
支給開始後最長547日
被保険者であった期間
10年未満→90日
10念以上20年未満→120日
20年以上→150日
第1回目の支給時期
申請日から約6〜8週間後
自己都合退職→申請日から約4ヵ月後
その他→申請日から約1ヵ月後
申請書提出先
退職した会社を管轄する全国健康保険協会都道府県支部または健康保険組合
住居地を管轄するハローワーク(公共職業安定所)

【失業給付と各種年金】
 失業給付と障害年金・遺族年金等は、同時に受給可能です。但し、精神における障害年金の2級は労働出来ないことが認定基準のひとつになっていますので、障害年金の2級と失業給付(労働出来ることが前提)の同時受給は通常ありえません。障害厚生年金3級と失業給付の同時受給はあり得ます。また、失業給付と老齢年金の同時受給にも制約があります。
 精神における障害年金の2級は、失業保険を申請出来るということは、労働能力が回復し、障害厚生年金では3級又は支給停止に該当します。この場合は、年金事務所に届けでる必要があります。発覚すれば、返却の必要があります。障害基礎年金でも1級又は2級に該当しなくなった場合は、届け出る法的義務があります。(国民年金法施行規則第33条の7)届出先は、日本年金機構です。「3倍返し」のような具体的な基準は法律では定められていませんが、返却義務はあります。
派生Q
要するに「失業給付を受けられるということはそれまでに回復したということであり、障害年金2級を受給しているなら年金機構に届け出る必要がある」ということですよね。これについてですが。失業給付には、求職活動中に例えば入院するなど休職活動が不能になった場合は、通常の失業給付に代わり「傷病手当」が出ると思います。この「傷病手当」は、求職活動不能な状態で貰えるわけですから、「障害年金2級以上を貰いながら、失業給付(傷病手当)」を受け取ることは可能なのではないですか?
派生A
基本手当(失業手当)を受給するため、一旦、障害年金2級を3級へ等級変更する申請(額改定請求)を診断書と共に日本年金機構に届け出る必要があります。その後、15日以上傷病のため、求職活動が出来ない場合、基本手当に変わり、傷病手当を受給することが出来ます。この際に、等級変更した障害年金の程度が2級に悪化し、2級を受給出来る診断書を医師に書いてもらうことが出来れば、再度の等級変更(3級→2級)により、傷病手当と障害年金2級を受給することが出来ます。但し、一度等級変更した場合は、1年間が経過しないと再度の等級変更の申請は出来ないので、受給出来る失業手当の期間を考えると実際には難しいと考えます。傷病手当を受給中に新規に障害年金を申請し、障害年金の受給要件を満たし、障害等級2級と認定されれば、傷病手当と障害年金2級の両方を受給出来ます。

<失業手当とアルバイト。不正受給のペナルティ>
 ハローワークに無断でアルバイトをすると不正受給となり、いわゆる3倍返し(※)となります。ハローワークが認めてアルバイトなら、不正受給となりませんが、どこまでの範囲がアルバイトかどうかは、ハローワークの裁量に任されていますので、アルバイトをする前に住所地を管轄するハローワークで相談した方が良いでしょう。

(※)
 失業手当の受給に関し不正行為があれば、失業手当等が一切支給されず、不正に受給した失業当等の相当額(不正受給金額)の返還が命ぜられます。さらに、返還が命ぜられた不正受給金額とは別に、直接不正の行為により支給を受けた額の2倍に相当する額以下の金額の納付(いわゆる「3倍返し」)が命ぜられることとなります。不正行為はタレこみ等で発覚することが多いようです。
 また、不正受給かどうか、判断の難しい場合もあります。例えば、「内定が出ているのに失業保険を貰う(A社→B社に転職することになったが、A社の退職からB社への再就職まで3ヵ月くらいの間があるので、B社からの内定を貰っていることを隠して失業保険を貰う)」といった場合。このケースは、不正受給に当たると思います。但し、1か月程度であれば、内定が出ても、求職活動を続け、失業の認定を受け、最終的に内定先に就職しても、就職日の前日まで失業手当が支給されます。

<要件緩和措置>
 雇用保険の場合、「要件緩和措置」として、休職等の場合を考慮し、離職直前最大4年までの期間を算定対象期間としています。
 従って、3年休職でそれ以前12か月()の被保険者期間があれば、受給要件を満たします。病気退職等「特定理由離職者」の場合は、3年休職でそれ以前1年間の間に被保険者期間が6か月以上あると受給要件を満たします。4年全てが休職の場合は、失業保険(雇用保険)の受給の権利がなくなります。
 この「要件緩和措置」とは、「病気、負傷等で30日以上引き続き賃金の支払いを受けることが出来なかった期間を延長します」ので、「休職等」には「欠勤期間」も含まれます。

※もし、それ以前の被保険者期間が11ヶ月しかない場合、失業保険が減免されるというわけではなく、1円も受給出来ません(受給資格がない)。12か月の被保険者期間(離職日からさかのぼって、被保険者であった期間を1ヶ月ごとに区切り、それぞれの期間の中に労働した日数が11日以上ある期間を被保険者期間1ヶ月とする。)がないと受給要件を満たさないこととなり、受給資格はありません。解雇等による「特定受給資格者」や病気退職等「特定理由離職者」の場合は、3年休職でそれ以前1年間の間に被保険者期間が6か月以上あると受給要件を満たします。
*休職中で、雇用保険料を支払っていなくても、会社在籍期間中は、雇用保険に加入(雇用保険の被保険者)しています。従って、教育訓練給付金も受給要件を満たしていれば、支給されます。
*会社に正社員として、在籍中であれば、休職中であっても(雇用保険料を支払っていなくても)雇用保険の被保険者の地位を失うことはありません。会社を退職すれば、雇用保険の被保険者の資格を喪失します。
*雇用保険は、会社を退職するまで、雇用保険の加入条件を満たさなくなる場合を除き、資格を喪失することはありません。
*休職後、復職してから退職すると失業給付の額が減ることがあります、詳しくは以下「賃金日額」を参照。

<賃金日額>
 雇用保険における賃金日額を計算する場合の賃金も、傷病手当金の額の算出に用いた「標準報酬月額」と同じ範囲です。賃金日額における賃金の範囲は、「基本給、各種手当、残業代や現物給与(現物賞与は除く)を含む。ボーナスや、自腹切って新幹線通勤してる場合の通勤費差額(自腹相当)は含まない。また、そもそも通勤費が出ない会社の場合は通勤費を含まない」です。

次のような条件で退職した人を例に、支給額の出し方をみます。
・2011年12月は全て年次有給休暇
・2012年1月から2012年6月まで欠勤、2012年7月から12月まで休職
・ただし2012年9月は一時的に復帰し、3日間だけ出勤した
・ただし2012年11月は、一時的に復帰し、休職前と同じように労働した
 上記例では、2012年9月は3日間だけ出勤なので、賃金支払基礎日数が11日未満の月となりますので、除外されます。2012年11月は1か月出勤しているので、この月は6か月に含まれることとなります。
 休職欠勤期間があれば計算から省くという考え方ではなく、「賃金支払基礎日数が11日未満の月は除く」という考え方です。休職・欠勤期間は、このルールで当然除外されることとなります。
 なお、「標準報酬月額」ではなく、実際の支給額(税金や社会保険料等が控除される前の金額)が基準となります。


「基礎となる日数が11日以上ある」月が対象というのは、これは、1ヶ月のうち、「31日間から土日を除いた数をフルに働いた場合」も、「11日間だけ働いた場合」も、どちらも計算の対象となります。ゆえに、休職して復職した際、「お試し復職・出社」などで、会社側が激務を避けた配置転換をしてくれ、「最初のひとつきは、月に11日間だけの出勤でいい」とかしてくれた場合、もし、その「お試し復職出社」をして、やっぱり復職は無理だと退職した場合、「11日間働いているお試し復職出社期間」も雇用保険の支給額計算の対象になり、失業給付の額が低下することは間違いありません。

なお、11日以上とは、実労働日数及び有給休暇のことです。休日(土曜日&日曜日、サービス業等なら公休日・特別休日・調整休日など)は含みません。実労働日数ですから、サービス業で、土日も働く場合は含めます。また、カレンダー通りの職業であっても日曜に出勤すれば含めます。1ヵ月のうち、実出勤日数が0日でも、1ヵ月の全てが有給休暇であれば、対象に含みます。

例えば3年間休職後、お試し復職を2ヶ月ほどやってから退職した場合、雇用保険の支給(受給)額の算出方法は、お試し復職の2ヶ月間だけが対象ではなく、6か月の報酬を180で割り賃金日額を計算しますので、お試し復職2ヶ月と、休職前(この場合3年前)の4ヶ月の、つまり、中抜け3年間あるけれども、復職2ヶ月と休職前4ヶ月の、前後の6ヶ月を通算することとなります。また、復職した時点で雇用保険のカウントがリセットされる訳ではありません。

<平成22年4月の改正で非自発的事由で失業された方の国民健康保険料が安くなる>
 雇用保険法の「特定受給資格者」(倒産・解雇等で失業した人)や「特定理由離職者」(雇い止めや疾病等で失業した人)の国民健康保険料を軽減する措置が平成22年年4月1日からスタートしました。失業時から翌年度末までの間、前年所得の給与所得を30/100とみなして所得割保険料を計算します。次の(1)〜(3)の条件を全て満たすとこの減免措置を受けられます。
 なお、この国民保険料の減免措置に関しては、雇用保険受給資格者証を入手することが必要ですが、病気等で雇用保険の受給期間延長申請をする場合は、延長措置を解除し、基本手当(失業手当)の受給申請手続きを行うまで、入手することが出来ません。
(1)平成21年3月以降に勤務先を離職。
(2)「雇用保険受給資格者証」の離職理由コードが「11・12・21・22・23・31・32・33・34」のいずれかに該当。
(3)離職日時点で65歳未満。
 なお、この特例措置の適用期間は、離職日の翌日から翌保険年度末までです。国民健康保険に加入中は、途中で就職しても引き続き対象となりますが、会社の健康保険に加入するなど国民健康保険を脱退すると終了します。具体的には、平成22年3月31日に離職された方の場合、平成22年4月分から平成24年3月分までの国民健康保険料が減額されます。
離職コードの簡易一覧 国民健康保険料(税)の軽減

ついでに、国民年金も、安くなることがあるかも。
離職票・雇用保険受給資格者証があれば、前年に所得があっても(国民年金保険料の)免除申請が承認されることがあります。(ただし配偶者、世帯主に所得がある場合は、免除が承認されないこともあります)
東京都清瀬市の国民年金の説明(表) 東京都清瀬市の国民年金の説明(裏)
↑東京都清瀬市の国民年金の説明(表・裏)

<失業給付の延長>
 また、失業給付は延長も出来ます。受給期間延長申請は、本人が疾病等で手続きできないときは、代理の方でも申請できます。なお、65歳以上の高年齢継続被保険者は、受給期間の延長はできません。
1.受給期間の延長とは
 「受給期間」は、原則として離職した日の翌日から1年間(所定給付日数330日の方は1年と30日、360日の方は1年と60日)だが、この期間中に以下の理由により引き続き30日以上職業に就くことができない状態にある場合、失業給付の対象にはならないが、その日数を受給期間に加えることができる。
 これを「受給期間の延長」といい、受給期間に加えることができる日数の最大3年間。
2.受給期間の延長が可能な理由
 1) 病気・怪我
 2) 妊娠
 3) 出産
 4)育児(3歳未満)
 5) 親族の看護(6親等以内の血族、配偶者及び3親等以内の姻族)
 6) 事業主の命令による配偶者の海外勤務に同行
 7)青年海外協力隊等公的機関が行う海外技術指導による海外派遣(派遣前の訓練含む)
3.受給期間の延長の手続き
 職業に就くことができなくなった状態が引き続き30日以上となったとき、30日目の翌日から1ヶ月以内に、「受給期間延長申請書」に「受給者資格者証」及び受給期間延長の理由を証明するものを添えてハローワーク(公共職業安定所)に提出する。(代理人又は郵送も可能)。

●すぐに働く事が出来ない方は…65歳未満で退職された場合は【受給期間延長】
 離職後1年の基本手当の受給期間内に、下記の理由で働くことができない状態が30日以上続いた場合は、受給期間を延長することができます。
 また、教育訓練給付の受講を希望している方については、訓練を受けられる期間を延長することもできます。

(1)病気やけがで働くことができない(健康保険の傷病手当金、労災保険の休業補償を受給中の場合を含む)
(2)妊娠・出産・育児(3歳未満に限る)などにより働くことができない
(3)親族の介護のために働くことができない
(4)60歳以上の定年等により離職して、しばらくの間休養する(船員であった方は年齢要件が異なります)
受給期間延長の申請手続き
延長理由 病気やけが、妊娠、出産、親族の介護 など 60歳以上の定年 など
申請期間 離職の日(働くことができなくなった日)の翌日から30日過ぎてから1か月以内 離職の日の翌日から2か月以内
延長期間 (本来の受給期間)1年 + (働くことができない期間)最長3年間
(言い方を変えれば、退職日の翌日から最大3年間延長可)
(本来の受給期間)1年 + (休養したい期間)最長1年間
提出書類そ
の1
受給期間延長申請書、離職票‐1、離職票‐2、本人の印鑑(スタンプ印以外)
提出書類そ
の2
延長理由を証明する書類 なし
提出方法 本人来所、郵送、代理の方(委任状が必要) 原則として本人来所
提出先 住所地を管轄するハローワーク
受給期間の延長についての紙(表) 受給期間の延長についての紙(裏)
↑延長申請に関する書類。

●ハローワークで失業保険給付の手続きをした後に、もし医師から「就労不可」の意見書が出た場合、ハロワに行き手続きを取り消し、受給期間延長申請をすることになる。なお延長申請は、働くことができなくなった期間が30日をこえた日から1カ月以内に行う(取消自体はそれより前でも出来る)。いちいち取り消したり面倒な部分もあるので、医師の意見書はなるべく事前に用意したい。
●受給期間延長申請の具体的な期間は、次のとおりです。例えば、3月4日に退職すると退職日の翌日から30日経過した日は、4月4日となります。この場合の受給期間延長申請が出来る期間は、4月4日から5月3日までとなります。退職日の翌日から30日の期間を空けているのは、病気の場合、30日以上病気による労務不能を確認した後、病気のため、受給期間の延長申請を認めようとする考えからきています。
受給期間延長申請をされた皆様へ 受給期間・教育訓練給付適用対象期間・高年齢雇用継続給付延長通知書
↑実際に延長申請が受理されてから貰えた書類。

●会社を病気退職したが、失業給付を受けるには?
失業保険をもらう際に医師に書いてもらう書類は、「就労可能証明書」又は「就労可能となった診断書」です。「意見書」というよりは、「証明書」、「診断書」ということになります。
主治医の意見書
雇用保険受給資格に係る病状証明書
↑働けるようになった時は、その証明を医師に書いてもらいます。


<傷病手当>
 傷病手当とは、「受給中に15日以上の傷病となった場合、基本手当と同額が支給」されます。
 傷病手当とは、「就職活動中に、病気になったらもらえる手当」です。ハローワーク(公共職業安定所)から失業手当(=基本手当)を受け取り、就職活動しているときに病気やケガをしたとき、基本手当は一体どうなるのでしょうか。基本手当は、働く意思があり就職先があったときはすぐに働ける人に、支給されるのが原則です。ただし、病気やケガをした人を支援するために、病気やケガの期間によって、以下に説明する3つのケースが用意されています。
 また、傷病手当をもらわないで受給期間延長の手続きをして、傷病が治癒した後に失業保険を受給することもできます。
 傷病手当の額は、基本手当(失業手当)の日額と同一の額となります。支給される日数は、基本手当の所定給付日数から、今までに受給した日数分を差し引いた分となります。
 なお、病気やケガをしたとしても、ハローワーク(公共職業安定所)に傷病手当の受給申請を行わなければ、お金はもらえません。と言っても、病気中やケガ中には、申請を行うことが出来ませんよね? ですので、傷病手当の申請は、病気やケガが治ってから行うことになっています。ただ、治った後であれば、いつでも良いという訳ではなく、期限が定められているので注意して下さい。申請の期限は、職業に就くことが出来ない理由が止んだ後における最初の基本手当の支給日までとなっています。但し、銀行振り込みの方は、支給日の直前の失業認定日が期限となっているので注意して下さい。

(1)14日以内の場合
 基本手当がそのままもらえます。医師の診断書を提出して、認定を受ければOKで、もし、ハローワーク公共職業安定所)指定の認定日に行けないときは、その次の認定日に認定を受けます(傷病証明書で認定日を変更するか、または次回の認定日にまとめて認定を受け失業保険の給付を受けることができます)。
(2)15日以上から30日未満の場合
 基本手当の代わりに、傷病手当(基本手当と同額)がもらえます。病気やケガが治った後の、最初の認定日に傷病手当の申請手続きをします。失業保険の受給資格の決定を受けた後に病気やけがのため、15日以上働くことができない状態になった場合は、失業保険(基本手当)のかわりに同額の傷病手当を受給することができます。
(3)30日以上の場合
 傷病手当をもらうか、受給期間の延長をするか、どちらかを自由に選ぶことができます。
 傷病手当をもらうときは、ハローワーク(公共職業安定所)の指示に従い手続きをすれば、ハローワーク(公共職業安定所)が決めた日に、傷病手当(基本手当と同額)を受け取ることができます。
 受給期間を延長するときは、病気やケガで30日以上働けなくなった翌日から、1カ月以内に「受給期間延長申請書」を提出して、手続きします。
【備考】
 なお、傷病手当を受け取った日数は、基本手当の総給付日数から差し引かれます。例えば、総給付日数が180日で、傷病手当を60日受け取った場合は、基本手当の受け取り期間は120日となります。ただし、待機期間中の人や給付制限期間中の人については支給されません。
 傷病手当は、受給資格者が退職した後に、ハローワーク(公共職業安定所)に出頭し、求職の申し込みをした後において、病気または、ケガのために職業に就くことが出来ない日が継続して15日以上になった場合に支給される手当のことを言います。まず、ポイントとしては、求職の申し込みを行った後の病気やケガでなければならないというところですね。
 つまり、退職してから一度もハローワーク(公共職業安定所)に行っていないという状態で病気やケガをしても、傷病手当は支給されません。ただし、このような方でも、引き続き職業に就けない日が継続して30日以上となった場合には、受給期間の延長申請をすることが出来ます。
また、傷病手当がもらえないケースは以下のときです。
A.基本手当をもらっているとき(基本手当を受けることが出来る日)
B.待期期間(7日間)と、給付制限(3カ月間)の間
C.健康保険から傷病手当金、労災保険から傷病手当金や休業補償給付(休業給付)、労働基準法の休業補償などのいずれかをもらっているとき
D.子供の出産予定日の6週間前(双子以上のときは、14週間前)から、出産8週間までの間

<失業保険は非課税>
 失業保険は「最低生活費」です。失業保険は最低限の生活をおくるのに必要な資金として支給されます。もしこれに税金が課されてしまうと、最低生活費を下回ることになります。よって、失業保険には一切の税金が課されることはありません。
 また、失業保険は「所得」としては見なされないので、国民健康保険を算定する際の「所得割額」に加算されることはありませんし、確定申告の時も、失業保険で得た収入を申告する必要はありません。
 ただし、社会保険の扶養になる場合はご注意を。失業保険は税法上は非課税となり、所得税、住民税の課税対象とはなりませんし、国民健康保険の所得割額からも除外されます。しかし唯一、社会保険の扶養者になる場合は、失業保険も収入として見なされます。失業保険の基本手当日額が3,612円以上ある場合は、年収の見込み額が130万円を超える為、扶養として認定されません。
 失業手当を受けている期間に収入をえることがあった場合はハローワークにその収支を報告しなけばなりりません。しかし、所得税の還付金に関しては、「失業中に働いて得た収入」ではないため、ハローワークに報告する必要はありません。また、給付額や給付日数を減らされることもありません。なぜなら、もともと失業保険(雇用保険)は国民という勤労者が積み立てたお金だからです。それが払い戻されているに過ぎません。ですから、失業給付金には税金はかからないというわけです。失業給付は失業中の生活を支えてくれるものであり、その間は無収入と判断されるのです。よって、失業中に受け取った失業手当などは非課税となります。当然ですが、所得税や住民税の対象にもなりません。また、確定申告の必要もありませんので、間違って申告してしまわないようにしましょう。(要するに、雇用保険の失業給付金は非課税所得とされていますので、住民税や所得税が課税されることはありません)。
 また、失業保険は基本的に差し押さえ出来ません。


<トライアル雇用>
 色々な噂のある「トライアル雇用」だが、小生はとりあえず正社員になれました。
トライアル雇用→正規雇用


<離職票>…「雇用保険受給資格者証」とは異なります。
 上のほうが途切れてる…@事業主控A安定所提出用B雇用保険被保険者離職票‐2 離職票-2の裏面(2013年7月10日撮影)
仕事を辞め会社から@雇用保険被保険者離職証明書A雇用保険資格喪失届B退職所得申告... - Yahoo!知恵袋
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1263106542



雇用保険被保険者資格取得等確認通知書
↑これは次の会社に出す

離職票‐1(表面)。画像がかぶって見にくいかも。 離職票‐1(裏面)
↑返送後、改めて送られてくる(左が表面、右が裏面)。なお、『離職されたみなさまへ』という小冊子も同封されて送られてくる事も多いと思います。なお、複数枚の離職票をお持ちの方は、短期間の離職票であっても全てハローワークに提出してください。

(離職票‐1の裏面の注意書きより抜粋↓)
1 基本手当は受給資格者が、高年齢求職者給付金は高年齢受給資格者が、特例一時金は特例受給資格者が、それぞれ労働の意思及び能力を有するにもかかわらず職業に就くことができないときに支給されるものであること。
2 基本手当、高年齢求職者給付金又は特例一時金の支給を受けようとするときは、住所又は居所を管轄する公共職業安定所又は地方運輸局に出頭し、求職の申込みをした上、この離職票‐1及び離職票‐2(別紙)を提出すること。
3 基本手当の支給を受けることのできる期間は、原則として離職の日の翌日から1年間(注)(これを受給期間といいます。)であること。その1年間に妊娠、出産、育児、疾病、負傷、親族の看護等の理由で、引き続き30日以上職業に就くことができない者については、所定の期限までに上記2の公共職業安定所又は地方運輸局に届け出ることにより、これらの理由により職業に就くことができない日数を1年に加えた期間(最大限4年)となること。
(注)所定給付日数が330日の場合「1年と30日」、360日の場合「1年と60日」となること。
4 基本手当、高年齢求職者給付金又は特例一時金の支給を受けないときでも、後日必要な場合があるから、少なくとも4年間は大切に保管すること。
5 この離職票‐1を滅失し、又は損傷したときは、交付を受けた公共職業安定所に申し出ること。

(おまけ)
返ってきた離職票(2013年7月10日撮影)
↑取り消したら返ってきた書類。なぜか黒塗りされている箇所だらけ(画像ソフトによる黒塗りではなく、もともと塗り潰されていた。画像加工ソフトを使ったのは緑っぽい色で塗った部分のみ)。
(2013年7月20日撮影)
↑改めて延長申請をし、受理された時には、押印がされていた。

<雇用保険料が天引きされていたのに雇用保険に「未加入」とされた方へ>
 保険料をずっと払っていたのに、失業手当がもらえない?
 平成22年10月1日から、2年を超えて遡って、雇用保険の加入手続ができるようになりました。(これまでは、2年内の期間に限り、加入手続が可能でした)。

 離職した方が雇用保険の基本手当(失業手当)を受けることのできる日数(所定給付日数)は、年齢、被保険者であった期間、離職の理由などによって決められますが、離職に伴って失業手当の給付を受けようとする際、雇用保険に加入していたことが要件となります。
 雇用主が雇用保険の加入の届出を行っていなかった場合、これまでは、2年内の期限に限り、遡って加入手続きが可能でした。
 平成22年10月1日から、雇用保険が給与から天引きされていたことが明らかである場合は、2年を超えて遡って、雇用保険の加入手続きができるようになりました。

●誰が対象になるの?
◎平成22年10月1日以降に離職した方
※平成22年10月1日よりも前に離職した方については対象となりません。
(離職後1年以内に失業手当を受給せず、次の職場で雇用保険の被保険者資格を取得した方については、その時点から対象となります。)
◎在職者の方
在職中でも、遡って雇用保険の加入手続きができます。

●どんな場合が対象になるの?
 例えば、倒産・解雇によって離職した方が、6年前の給与明細で雇用保険料の天引きの事実が確認できた場合、これまでの制度と比べて被保険者であった期間が長く認められますので、失業手当の所定給付日数が増えます。
 30歳以上45歳未満の方、90日→180日、45歳以上60歳未満の方 180日→240日
※被保険者であった期間の是正によって、給付が有利になる場合もあれば、有利にならない場合もありますので、公共職業安定所(ハローワーク)にご相談ください。
※時効により消滅した給付、給付を受けるための申請期限を過ぎた給付など、給付が変更されない場合もあります。

●どうすれば遡って加入できるの?
 2年を超えた期間について、雇用保険料が天引きされていたことが確認できる書類(給与明細、源泉徴収票など)をハローワークに持参して、手続を行ってください。

雇用保険料が天引きされていたのに雇用保険に「未加入」とされた方へ(2013年7月19日撮影)

<求職者支援制度>
 求職者支援制度とは、雇用保険を受給できない求職者の方(※1)に対し、
(1)無料の職業訓練(求職者支援訓練)を実施し、
(2)本人収入、世帯収入及び資産要件等、一定の支給要件を満たす場合は、職業訓練の受講を容易にするための給付金( 職業訓練受講給付金)を支給するとともに、
(3)ハローワークが中心となってきめ細やかな就職支援を実施することにより、安定した「就職」を実現するための制度です。
(※1 雇用保険の適用がなかった方、加入期間が足りず雇用保険の給付を受けられなかった方、雇用保険の受給が終了した方、学卒未就職者や自営廃業者の方 等)

<その他>…ページ上部で既に説明済みのものもありますが合わせてお読み下さい。
●どこのハローワークに行けばいい?
求職活動をするためなら、職場に近いハローワークでも、自宅最寄りのハローワークでも構いませんが、失業手当の給付申請は、「住所地を管轄するハローワーク」ですることと決まっています。また、法律上の根拠までは探せませんでしたが、ハローワークでは障害者手帳は本人確認書類にならないようです。

●会社を病気退職したが、失業給付を受けるには?
失業保険をもらう際に医師に書いてもらう書類は、「就労可能証明書」又は「就労可能となった診断書」です。「意見書」というよりは、「証明書」、「診断書」ということになります。
主治医の意見書
雇用保険受給資格に係る病状証明書
↑働けるようになった時は、その証明を医師に書いてもらいます。

●60歳以降に再就職した方には・・・
(簡潔説明)
 離職後に基本手当を受給している60歳以上65歳未満の方が、支給日数を100日以上残した状態で再就職(1年を超える雇用見込み)して被保険者となり、再就職後の各月の賃金が賃金日額の30日分と比べて75%未満である場合には、高年齢再就職給付金が支給されます(各月に支払われた賃金の15%が限度となります)。
 ただし、同一の就職で再就職手当と高年齢再就職給付金の双方の支給要件を満たす場合は、どちらか一方のみの支給となります。

(詳しく説明)
 一定の要件を満たす60歳以上65歳未満(※)の雇用保険の被保険者に、高年齢雇用継続給付が支給されます。
※船員については生年月日によって55歳以上60歳未満となることがあります。
高年齢雇用継続給付には、高年齢雇用継続基本給付金高年齢再就職給付金の2種類があります。

 高年齢雇用継続基本給付金は、雇用保険の基本手当等(再就職手当等の基本手当を受給したとみなされる給付を含む)の支給を受けずに再就職した方が対象となる給付金です。60歳到達後の各月の賃金が60歳到達時の賃金に比べて75%未満である場合に支給されます(各月に支払われた賃金の15%が限度となります)。

 高年齢再就職給付金は、離職後に基本手当を受給している60歳以上65歳未満の方が、支給日数を100日以上残した状態で再就職(1年を超える雇用見込み)し、再就職後の各月の賃金が賃金日額の30日分と比べて75%未満である場合に、支給されます(各月に支払われた賃金の15%が限度となります)。ただし、再就職手当(一番下参照)と同時に受けることはできません。

●失業した方が創業した場合には・・・【受給資格者創業支援助成金】
 離職して雇用保険の受給資格の決定をされた方(決定された受給資格の被保険者であった期間が5年以上の方に限ります)が自ら創業し、創業後1年以内に継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)を雇い入れ、雇用保険の適用事業主となった場合に、創業に要した3分の1を助成します(最大150万円まで)。創業後1年以内に雇用保険の被保険者を2名以上雇い入れた場合は、さらに50万円の上乗せがあります。
※「被保険者であった期間」には、今回離職した事業所以前の雇用保険に加入していた期間を通算することができます。なお、通算には一定の条件がありますのでハローワークへお問い合わせください。

●「雇用保険を受給しないで再就職した場合について

 雇用保険の手続後であっても、再就職手当等を含む雇用保険を1日も受給せずに再就職し、雇用保険の被保険者となった場合で、その空白期間が1年以内のときは、前の会社での「被保険者として雇用されていた期間」と再就職後の「被保険者として雇用された期間」が通算されることとなります。
 再就職手当等を含む雇用保険を受給した場合には、それ以前の期間は通算されません。

●年金との併給調整について
 65歳未満の方に支給される特別支給の老齢厚生年金・退職共済年金と雇用保険の基本手当は同時には受けられません。基本手当を受給するために求職の申込みをすると、基本手当の受給が終了するまでの期間、老齢厚生年金・退職共済年金が全額支給停止になります。
 詳細は、お近くの日本年金機構の各年金事務所へご確認ください。

●国民健康保険料(税)の軽減について
 特定受給資格者・特定理由離職者として基本手当を受ける方には、国民健康保険料(税)が軽減される制度があります。(高年齢受給資格者・特例受給資格者は軽減制度の対象になりません)
 軽減を受けるためには届け出が必要となります。詳細は、お住まいの市区町村の国民健康保険担当へご確認ください。

●早期の再就職に支給される手当
 ハローワークに求職の申し込み(離職票の提出)をして、待期期間を経過した後、早期に安定した職業に就いた(※)方には、再就職手当を支給します。就職日の前日までの失業の認定を受けた上で、受給期間内に残っている基本手当の支給日数(支給残日数)が所定給付日数の3分の1以上[3分の2以上]ある場合は、支給残日数の5割[6割]に相当する日数に基本手当日額を乗じた額(1円未満は切り捨て)を受給できます。受給には一定の要件を満たすことが必要です。
(※)雇用保険の被保険者となる場合や、事業主となって雇用保険の被保険者を雇用する場合など。

再就職手当の支給要件(雇用保険の被保険者となる場合)
1.就職日の前日までの失業の認定を受けた後の基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あること。
(支給残日数が、就職日から受給期間満了年月日までの日数を超えるときは就職日から受給期間満了日までの日数が支給残日数となります。)
2.1年を超えて勤務することが確実であると認められること。
(1年以下の雇用期間が定められ、雇用契約の更新に当たって、一定の目標達成が条件付けられている場合は「1年を超えて勤務することが確実である」ことには該当しません。)
3.待期満了日後の就職であること。
4.離職理由による給付制限を受けた場合は、待期満了後1か月間については、ハローワーク等または許可・届出のある職業紹介事業者の紹介により就職したものであること。
5.離職前の事業主に再び雇用されたものでないこと。
(資本・資金・人事・取引等の状況からみて、離職前の事業主と密接な関係にある事業主も含みます。)
6.就職日前3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支援支度手当の支給を受けていないこと。
7.受給資格決定(求職申込)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと。
8.原則雇用保険の被保険者要件を満たす条件での雇用であること。
(例えば、委任契約、委託契約等については、雇用保険の被保険者に該当しません。)
 
また、受給期間内に所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上を残して再就職手当の支給対象とならない常用雇用等以外の形態(1年を超える見込みのない雇用)で就業した場合には、その就業日ごとに基本手当日額の3割(1円未満は切り捨て)の就業手当が支給されます。
 なお、どちらの手当も、年齢により基本手当日額に上限額があります。
 離職理由による給付制限を受けた方は、待期期間の満了後1か月間は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介で就職された場合のみ再就職手当・就業手当が支給されます。
 上記の手当以外にも「常用就職支度手当」があります。いずれの手当も支給要件などの詳細については、ハローワークにお問い合わせください。

●障がい者就職支度金の給付(ハローワーク関係ありません)
 市町村によっては、障害者が就職を決めると自治体から補助が出るところがあります。市町村により呼び方が若干異なることがあります。参考までに、神奈川県小田原市の場合→「小田原市  障がい者就職支度金について http://www.city.odawara.kanagawa.jp/field/welfare/handic-s/medical/shitakukinn.html」。

<雇用保険の基本手当日額は毎年変更されます>
毎年8月に変更されます。参考までに、以下に、平成23年次の資料と、平成25年次の資料を添えます。
雇用保険の基本手当日額変更(2013年7月20日撮影)

●平成23年8月1日から基本手当日額が変更になります
平成23年8月01日から基本手当日額が変更になります。(下記の上・下限額に該当しない方の日額についても、変更となる場合があります)。
基本手当日額の上限額及び下限額

(機種依存文字使用) 現行 → 新基本手当日額
@上限額 30歳未満の方(65歳以上の方の給付金も同様)
6,145円 → 6,455円

30歳以上45歳未満の方
6,825円 → 7,170円

45歳以上60歳未満の方
7,505円 → 7,890円

60歳以上65歳未満の方
6,543円 → 6,777円
A下限額 1,600円 → 1,864円
B就業促進手当 就業手当・再就職手当・常用就職支度手当に係る上限額

60歳未満の方
5,705円 → 5,885円

60歳以上65歳未満の方
4,603円 → 4,770円
就業手当については、上記の30%が一日あたりの上限額になります。
↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑
 上記は離職時の年齢によります(現在の年齢とは異なる場合があります)。
 新基本手当日額については、8月以降の認定日に皆さんの受給資格者証に記載されます。
 認定対象期間が8月1日前後にまたがる場合には、受給資格者証の支給記録が2つに分かれることがあります。

●雇用保険の基本手当日額が変更になります 〜平成25年8月1日から〜
<賃金日額・基本手当日額の変更について>
雇用保険では、離職者の「賃金日額」(※1)に基づいて「基本手当日額」(※2)を算定しています。賃金日額については上限額と下限額を設定しており、「毎月勤労統計」の平均定期給与額の増減により、毎年8月1日のその額を変更します。今回は、平成24年度の平均定期給与額が前年比で約0.5%減少したことから、上限額・下限額ともに若干の引き下げになります。
 これに伴い、基本手当日額の算定基準が変わり、支給額が減額になる場合があります。対象になる方には、平成25年8月2日以降の認定日にお返しする受給資格者証に新「基本手当日額」を印字して、お知らせします。
(※1) 離職した日の直前の6か月に毎月決まって支払われた賃金から算出した金額。「雇用保険受給資格者証」(第1面)の14欄に記載されています。
(※2) 失業給付の1日当たりの金額。「雇用保険受給資格者証」(第1面)の19欄に記載されています。年齢区分などによって計算方法が異なります。
◆年齢区分に応じた賃金日額・基本手当日額の上限額
離職時の年齢 賃金日額の上限額(円) 基本手当日額の上限額(円)
変更前 変更後 変更前 変更後(前年度増減)
29歳以下 12,880 12,810 6,440 6,405(▲35)
30〜44歳 14,310 14,230 7,155 7,115(▲40)
45〜59歳 15,740 15,660 7,870 7,830(▲40)
60〜64歳 15,020 14,940 6,759 6,723(▲36)
【例】
29歳で賃金日額が14,000円の人は、上限額(12,810円)が適用されますので、平成25年8月1日
以降分の基本手当日額(1日当たりの支給額)は、6,405円となります。
★★★★★
◆賃金日額・基本手当日額の下限額
年齢 賃金日額の下限額(円) 基本手当日額の下限額(円)
変更前 変更後 変更前 変更後(前年度増減)
全年齢 2,320 2,310 1,856 1,848(▲8)
○基本手当日額の下限額は、年齢に関係なく、1,856円から1,848円になります。
★★★★★
就業促進手当の上限額について
→就業促進手当(再就職手当、就業手当、常用就職支度手当)の算定における上限額に
ついても、下表の通り変更になります。
◆再就職手当・常用就職支度手当の算定における基本手当日額の上限額
年齢 変更前(円) 変更後(前年度増減)(円)
59歳以下 5,870 5,840(▲30)
60〜64歳 4,756 4,729円(▲27)
◆就業手当の1日当たり支給額(基本手当日額の30%)の上限額
年齢 変更前(円) 変更後(前年度増減)(円)
59歳以下 1,761 1,752(▲9)
60〜64歳 1,426 1,418(▲8)













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